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札幌文化芸術交流センター SCARTS札幌文化芸術交流センター SCARTSスマートフォンサイト

ひと・もの・ことをつなぐ。創造性の光をむすぶ。


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ひと・まち・アートを語り合う SCARTS CROSS TALK

札幌にゆかりのあるアーティストや、
文化に関わる活動をされている方を
ゲストに迎えて行う、
札幌市民交流プラザスタッフとの対談。
ゲストの活動の紹介とともに、
札幌の文化芸術活動のいまとこれから、
そして、札幌市民交流プラザに期待される
役割について語ります。

ここから本文です。

1

メディアアートを軸に、
視点を変える、組織をつくる。

岩田
僕らの出会いは初回となる2014年の札幌国際芸術祭(以下、SIAF)の少し前。前職場の山口情報芸術センター [YCAM]※(以下、YCAM)にみんなが視察に来てくれたときですよね。
小町谷
SIAF2014でメディアアート※作品を扱うので、札幌で受け入れ体制をつくろうとなってYCAMを視察したんです。SIAFで僕たちは坂本龍一さんとYCAM インターラボさんのコラボレーションで制作された《フォレスト・シンフォニーinモエレ沼》※のテクニカルスタッフとして参加しました。
岩田
YCAMで制作した作品をSIAFで再展示することになり、僕はテクニカル面のディレクター、インストーラーという役割で参加しました。
小町谷
SIAFラボができたのは、SIAF2014のあと。SIAFをトリエンナーレ※形式で開催していくことが決まって、1回目の結果が2回目につながるよう考えていける場がほしいと。
船戸
2015年4月からSIAFラボとして動き始めたんですよね。
岩田
それはSIAF内部から技術的なアプローチを高めていくというような命題があったんですか?
小町谷
当初のSIAFラボは、広く市民と芸術祭を繋げる役割を担っていたのですが、個人的には、その命題を強く意識していました。メディアアートなどをSIAFで扱うために、受け入れ側の人材を育てなきゃと。2014年はYCAMのほかに関東圏からも展覧会エンジニアを呼んで手伝ってもらったんですが、もっと自分たちの手でなんとかしたくて。ボランティアにも常にいろいろなイベントに関わって経験を積んでほしかったし、全国で大規模な芸術祭が行われているいま、札幌の芸術祭はどうあるべきかを継続的に考えていく必要もありました。
石田
2013年にアジア初の「メディアアーツ都市」として、ユネスコ創造都市ネットワーク※(以下、UCCN)に札幌市が加盟したのも大きかったですね。そこでSIAF2014後に、メディアアートをベースに活動している人も関わる形でラボをつくろうとなり、僕らにお声がかかりました。
小町谷
SIAFだけじゃなく、もっと長期的に都市としての魅力や文化的な開発が必要だと考えて、再びYCAMを視察しました。YCAMはエンジニアもいればサーバー管理をする人もいるという、メディアアートをやる上で必要な人材が揃っている国内でも稀有な施設なんです。
岩田
いまはこの3人がプロジェクトディレクターですけど、どういう経緯で選定されたのですか?
船戸
SIAF2014のときに《フォレスト・シンフォニー》のテクニカルを担当したメンバーが、そのままラボのプロジェクトディレクターになりました。
小町谷
ラボを始動するとき、プロジェクト内容についてメンバーで話し合いました。その一つが「Bent Icicle Project(愛称ツララボ)」で、これは「つらら」をテーマにした取り組み。1936年、世界で初めて雪の結晶の人工製作に成功した中谷宇吉郎※さんという科学者がいて、SIAF2014でも中谷さんの雪の結晶の写真が紹介されました。中谷さんは晩年、氷の研究もしていて、SIAFラボの起点となる活動を中谷さんの研究に沿ってできないかと思ったのがツララボのきっかけです。「つらら」がテーマだとアートやサイエンスなど幅広い分野のひとが関われると思いました。僕は東京出身で、冬の北海道って雪に覆われて屋根に大量のつららがあるイメージだったんだけど、実際来てみたら意外となかった。

※山口情報芸術センター[YCAM]
山口県山口市にある、展示空間、
図書館、ワークショップスペース
などを併設した複合施設。
コンピュータや映像などを
使った芸術「メディアアート」を
軸にした活動などを行っている。

※メディアアート
コンピュータやその他の
電子機器などのテクノロジーを
活用した芸術作品のこと。

※フォレスト・シンフォニーinモエレ沼
坂本龍一氏によるSIAF2014の
展覧会。樹木の生体電位
(その生体の生命維持活動に
よって生じる電位)データを
音楽へと変換したインスタレーション
(展示空間全てを対象とした作品。
観客がその場にいることで
作品を体験できる)。

※トリエンナーレ
3年に1度開かれる
国際美術展覧会のことを指す。

※ユネスコ創造都市ネットワーク
2004年にユネスコが創設。
文学、映画、音楽、芸術などの
分野において、都市が連携を
結び、文化産業の普及や
理解増進、文化の多様性の
保持に努めるもの。

※中谷宇吉郎(なかや うきちろう)
「雪は天から送られた手紙である」
の言葉で知られる石川県出身の
物理学者。雪の結晶の美しさに
魅せられ、北海道大学で
雪の研究に取り組む。

岩田
え?そうなんですか?
石田
断熱機能や家の形の変化で、昔ほどはないですね。
小町谷
つららは危ないものとして排除される傾向もありますしね。でも北海道らしい資源って、別の角度から捉え直すと面白いことができるんじゃないかなって。中谷さんの著書に「北海道は冬になると除雪にあけくれ文化的な活動ができない、だから雪の研究によって雪国の生活におけるインフラ改善に取り組んでいる」とあったんだけど、こうした記述に刺激されて逆に「文化的な活動」はできるんじゃないかと。
岩田
今回、SCARTSと行う「Sapporo WInterChange」の連携事業の中にSIAFラボが札幌市資料館で開催する「さっぽろ垂氷まつり」があります。これは2015年度から始まったイベントなんですよね。このイベントを始めたきっかけは?
石田
北海道らしい資源って話の流れから「冬に何かしよう」となったんですよね。
船戸
僕の記憶だと、小町谷さんが「つららを曲げたい」って言いだした。
小町谷
そうそう!
船戸
1年目は、つららを科学的に解剖するところから始めたんですよね。つららの構造も勉強したし、北海道大学の低温科学研究所(以下、低温研)の先生とか、北海道科学大学で雪の研究をしている先生に協力をお願いしてトークイベントも開きました。「自由自在につららをつくる」をテーマにつらら作りにも挑戦したんですよね。「回転式巨大つらら造形マシン」や「人工氷柱製造装置」を制作したんだけど、自然を相手にするのは難しくて…。
小町谷
深夜の一番寒い時間に凍えながら水をまきましたよね。「今日は寒いからいいつららが期待できる」とか、普段気にしないことを気にするようになったところが、自分ではすごく面白かった。うまくいかないことも吸収しながら作品や企画にしていくところが、冬のイベントの醍醐味。おかげでいまは、回転マシンは-3℃以下になったら自動的に水を噴射してつららを造形してくれる仕組みができつつある。
船戸
ソフトなんて、ピッと押したらピッと作業が終わるけど、つららは1本つくるのに1時間!なんか違う…となってつくり直したら、さらに1時間!時間軸のスケールが全然違う。
小町谷
吹雪いている屋外でノートパソコン開いてプログラミングしている自分、何?って思ったこともありました。機械一つでなんでも制御できる時代に、何が起こるかわからない自然を相手にものづくりをする面白さがあります。
船戸
3Dスキャンデータをもとに、つらら型チョコレートもつくりましたね。透明だとスキャンが難しいから、透過しないようにつららにベビーパウダーをかけたり…。
小町谷
低温研の先生に、「そんなことやったひと、見たことない」って突っ込まれましたね。
船戸
2年目は、つららを環境から考えようってなりましたよね。
石田
そこで着目したのが「建物」。最近は高気密・高断熱になってつららができにくくなった。つららって、屋根に雪が積もる、屋根(室内)から漏れた暖気で雪が解ける、屋根を伝って流れた水が凍るという仕組みなんですけど、最近は室内から暖気が漏れない構造だから、屋根の雪が解けない。すごく簡単に言うと、すきまのある家がない。つららができやすい構造っていつの時代の家か調べたら昭和20~30年代の建物だった。
小町谷
いわゆる三角屋根の家の時代ですね。
石田
じゃ、僕らですきまのある小屋をつくって、つららのできる過程を見てみようとなった。それが「垂氷小屋」。
岩田
建物の形によって、つららの長さ、大きさって変わるんですか?それとも熱の状況?
石田
両方、それと外気の状況ですね。東西南北の方角も関係ある。
岩田
あー、そっか。
石田
基本、南側は解けやすいけど、実は風向きによってもできが変わるんです。
岩田
同じつららができる環境は二度とないと。
石田
ある大学の先生が言っていたんだけど、つららは環境のログ※だって。つららは、その瞬間、瞬間の造形物。岩田さんが言ったように、同じつららは二度とできないのが面白いところ。そして、3年目も環境だけど、ちょっと視点を変えてみました。
岩田
なるほど。
石田
それが2018年にお目見えした「環境氷柱光壁」。つららができるまでの環境データを取り、そこからLEDを使ったつららの光る壁をつくろうとなったんです。環境の可視化ですね。他にも垂氷まつりでは、3Dスキャンデータを使ったつららアクセサリーの販売をしたり、つららのある昔の風景写真を展示して、まちの変遷を見せたり。2019年は基本いままでの継続だけど、ブラッシュアップする予定です。
小町谷
SIAFラボのテーマの一つに「人材育成」があります。学生とか若い人たちには、いままでつくったものをもとに、新しい取り組みもお願いしてるんです。
石田
もう少しテクニカルな部分もできる子を育てたいと思って。いままでは僕らが基本の技術を決めていたんだけど、今回はアドバイスを与えた上で「自分でやってごらん」って。これは新しい試みですね。
岩田
現時点でみんなから新しいアイデアは出てきてるんですか?
小町谷
結構出てますよ、技術の部分でもアイデアでも。「こういうのやってみたい」「アクセサリーをこう改良したい」とか。
岩田
僕たちがしっかりフレームを考えて、そこにどんどんひとを受け入れて、カタチを大きくしていく働きができたらいいですよね。
船戸
学生たちを主にした意味では、今年はフレームづくりの一連ではありますよね。
小町谷
「ここでしかできないことってなんだろう」が考えのベース。R&D※していくための組織として、今年はかなり具体的に若い人に参加してもらえる体制で進められていますね。
船戸
SIAFラボはいい意味で、ゆるくいろんなひとを巻きこめる環境になってきましたね。
岩田
SIAFが発端でできたラボというフレームが、もしSIAFがなくなったときに頓挫したらもったいない。そのためにラボがあるんじゃないかな。
小町谷
ラボはSIAFの方向性にどこまで沿う体制がいいのかとか。4年目でも、まだまだいろいろ話し合ってます。
岩田
僕がSIAFラボを見て思うのは、ゆるい関係の中でも自分のやりたいことをきちんと投げかけられる場になっているんじゃないかということ。自分からボールを投げて一生懸命なリアクションが返ってくる環境と関係性。それこそが継続できる組織のつくり方なんじゃないかと思います。

※ログ
コンピュータにおいて記録を取ること。
また、その記録自体を指す。

※R&D
リサーチ・アンド・デベロップメント。
研究開発の意。

2

SCARTSがハブとなり、つくる流れ。
初の試み「Sapporo WInterChange」

岩田
「Sapporo WInterChange」って今年初めて開催するんだけど、僕としては雪まつりの裏番組的な感じになっていけばいいなって考えています。
小町谷
雪まつりはもちろん、札幌ならではの冬の魅力を生かしたイベントっていろいろやっているから、そこも一緒に見てほしいですね。今年はSCARTSと、札幌市資料館での「さっぽろ垂氷まつり」、そして北3条広場 [アカプラ]で行われる「さっぽろユキテラス」が連携して行うプロジェクトが「Sapporo WInterChange」。SCARTSに集まってそれぞれのプロジェクトを報告し合い、これから新しく何ができるか、どんな体験プログラムをつくっていくのかをいまは話し合っています。
岩田
これもフレームをつくって、そこに今まであったユキテラスや垂氷まつりも巻き込んでいこうという話。SCARTSを中心に札幌のまちに循環が生まれる仕組みづくりも狙いにあるし、2020年に初の冬開催となるSIAFにとっても重要な意味を持つと思います。札幌の代表的な冬のイベントとして雪まつりがあるけど、「Sapporo WInterChange」ではほかのイベントもリスペクトを持って丁寧に紹介していきたくて。SCARTSコートで各イベントのアーカイブ展や関係者のトークショーを行うほか、この4人で新作をつくってSCARTSスタジオに展示する予定です。僕らの作品のテーマは「除雪」。これは小町谷さんからのアイデアで、もともとSIAFラボのプロジェクトとして考えていたものの一つだったんですよね。そこでちゃんとR&Dしていきましょうって方向性をみんなで定めた。
小町谷
「除雪」をテーマにした理由は、先に話した中谷さんの「除雪に明け暮れて文化的な活動ができない」が起点で、そう思われていた都市がいまや冬にいろいろな文化的イベントを行えるようになった。それを支えた技術は何かと考えたときに除雪車が浮かんだんです。夜降った雪が、朝にカーテンを開けたらなくなっている。こっちに来たばかりのころは「なんだこれは!?」ってビックリしましたね。莫大な除雪費用をかけて、この都市機能を支えていること自体が札幌のユニークな点だと思うんです。話を聞くと、「この地区の除雪はこうしたらいい」というノウハウがあるそうで。僕らはそんなこと知らないし、どんな規模で除雪が行われているかもわからないし、体験もできない。これらを、テクノロジーを使って新しい形で体験することができないかと思ったんです。除雪車の巻き上げる雪ってキレイですよね、噴水みたいで。その風景をショーにするとか、どこのエリアの除雪が終わったかわかるようにするとか、いろんな観点で体験できるんじゃないかと考えました。
岩田
ラボの前にSIAFって付いていると、やっぱり芸術的な表現をすると思われがちなんだけど…アート&テクノロジーの先にある経済って切っても切れない関係だと思うんです。除雪と聞いたとき、僕はそれを文化だと思いました。多分、みんなその認識は持っているんじゃないかな。その文化をどう捉えて新たな表現とするか。除雪車が走る=道をキレイにして経済的な活動をしやすくするためですよね。道外から来る人たちに、除雪を都市の一つの風景として見せるとき、ただ見せるだけじゃなく、どんな風に活動しているのかアート&テクノロジーの視点から見せるのがラボやSCARTSの役目じゃないかと。雪まつりとは違う雪の見せ方。経済とアートの中間にある表現だと思うんだけど…そこにすごく意味があるんじゃないかって、僕は思う。ある種、新しい札幌の文化の見せ方だと僕は解釈している。
小町谷
あと環境データですね。
石田
垂氷まつりの環境光壁は、いまある環境データを取得して、そのデータを光にするっていう仕掛けをしているんです。それをここにも活用したい。例えば、南区と北区では雪の降る量も状況も違うから、データは除雪に大きく関係してくるんです。発端は、「雪の量に対して除雪車ってどう配置しているんだろう」って会話から。聞けば、結構アナログな方法なんですよね。
小町谷
札幌市内何カ所かに環境センサーが設置されていて、そこの積雪量が何㎝以上になると「よし行け!」的な感じで作業しているそうなんです。単純にそのデータを取って絵として見せるだけじゃなく、そのデータをいろんなひとに活用できればいいなと思いました。作業する人たちは日報を書くんですが、終わった箇所のデータ収集ができることで作業の簡略化にも活用できるかもしれないし、住民にとっては、どこのルートは除雪が終わっているから通りやすいとかね。あと、この札幌という都市を支える大切な仕事の内容を、もっとたくさんのひとに知ってほしいとも思いました。
岩田
今回は「展示」という目標はあるけれど、もう少し大きな目線で捉えると、小町谷さんの言ったようなインフラになり得るものとして、石田さんが言ったようなアート&テクノロジーとして、誰の目にも届くような状況をつくれると大きな意義が生まれると思うんです。そのための研究、開発を進めていこうという取り組みです。

船戸
つららもそうだけど、道産子からしたら除雪も負のイメージがおそらく大きいですよね。でも視点を変えると、小町谷さんが言ったように、毎年限りある予算の中で除雪方法を改善しようと動いている方もいます。今回の「Sapporo WInterChange」はまさに、除雪を新たな視点で捉えてもらう、除雪に関わるひとたちを応援したい気持ちになるきっかけにつながるんじゃないかな。つららも、危険なものというより、文化・風俗の中でどう楽しむかをもっと提唱していきたいですね。
小町谷
つららが観光資源になり得るように、除雪にもその可能性があると思うんです。
船戸
「文化」として楽しめる視点やきっかけを、見る人に与えられたらいいですよね。
岩田
僕は北海道出身じゃないので、つららや除雪といった特殊な環境があるっていうのは、メディアアートに関わっていく上で面白いなって単純に思う。
小町谷
つらら自体は電子メディアじゃない。でも、環境情報が記述されたメディアであるという考え方に立てば、それは多くの都市にはないものですよね。除雪もそう。細かな気象情報や積雪量に基づいて、どう除雪していくか。それを一つのメディアとして捉えようとしたとき、また違う視点での札幌が見えてくるかもしれません。
石田
建物の高断熱・高気密化は、北海道で暮らすために最適化してきたことの一つ。僕らがいま持っているテクノロジーで楽しく雪を最適化してみようというのが、今回の「Sapporo WInterChange」です。
岩田
いま僕らが進めているのは、動く彫刻作品。最近だとサッカー場などでの導入が多いのですが、カメラを複数のワイヤーで吊り下げて上空を移動させ、自由自在に撮影できる「ワイヤーカム」という装置があります。そういうハードウェアをつくって除雪車や環境から得られるデータを光の点滅とモーターの動きに転換して、除雪によって舞い上がる雪や除雪を行った道筋を、想起させるような作品にする予定。これは動く彫刻であると同時に、光のインスタレーションでもあるんです。タイトルは「SNOW PLOW TRACE~雪の痕跡」。今回の「Sapporo WInterChange」では制作に対して特定の作家を入れませんでした。僕たちのやっていることはフレームづくり。このフレームに来年、作家を入れたらどんな視点で切り取ってカタチにしてくれるかという期待もあります。粗くていいから、今回は僕らの力でやってみようと思う。
小町谷
継続して、しっかりしたカタチになれば、僕らのやることに意義があったと思えますよね。
岩田
そうですね。今後もいろんな人たちを巻き込みながら、新しい視点をどんどん吸収して、技術的なことはもちろん、教育普及的観点、学芸的観点も含めた場づくりをSCARTSの中でしていきたい。それがいま、自分の目標となっている一つですね。その上でモデルケースとして、すぐ近くにSIAFラボがあるのは、とてもラッキーだと思っています。
小町谷
岩田さんの話にもあったけど、札幌には中心部以外にもアートスタジオやギャラリーとか、いろいろな施設がありますよね。そこをうまくつなげてハブになるような活動をSCARTSには期待したいです。教育普及的なこと、R&Dにかかわること、文化を発信すること。SCARTSがハブになって、新しい札幌の文化が再配置されたらいいですね。
船戸
ハブって意味では、まちの真ん中にあるのは大きいですよね。普段アートに関わりのない人がフラッと図書館とかに来たとき、すぐ近くに作品が展示されていたり、スタジオで公開制作をしていたり。そういう環境が当たり前にあることで、きっかけが生まれるかもしれない。例えばフリースペースで勉強しに来た学生さんが作品をなんとなく目にしているうちに興味を持って、その道に進むかもしれない。ひとがつながるハブ以外に、未来を担うひとたちのきっかけの場として機能していくんじゃないかって期待しています。
石田
みんなと言っていることが同じかもしれないけど…僕的な表現をすると、何でもない場所になってほしい。エッジがきいて、表現的にはわかりにくい作品を目にすることが、ここに来る人にとって何でもないことになればいいなと。そういうものを見るために、気合い入れてここに来る!じゃなくて、「あ、またやってるな」「面白そうだねー」くらいの気軽な感覚で見てもらえるようになれば、僕らがこうやって特別にインタビューされることもなくなるんじゃないかなと思います。
岩田
さらに言うと、今後SCARTSの中だけにとどまらず、いろいろなところでどんどん作品制作やR&Dをしていって、そこに新しいフレームが立ち上がっていくと面白いことになるんじゃないかな。今回の「Sapporo WInterChange」が、そのきっかけの一つになればいいなと思います。

さっぽろウィンターチェンジ