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札幌文化芸術交流センター SCARTS札幌文化芸術交流センター SCARTSスマートフォンサイト

ひと・もの・ことをつなぐ。創造性の光をむすぶ。


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ひと・まち・アートを語り合う SCARTS CROSS TALK

札幌にゆかりのあるアーティストや、
文化に関わる活動をされている方を
ゲストに迎えて行う、
札幌市民交流プラザスタッフとの対談。
ゲストの活動の紹介とともに、
札幌の文化芸術活動のいまとこれから、
そして、SCARTSのミッションについて
語ります。

ここから本文です。

福津京子[札幌人図鑑 主宰/市立高校 コンシェルジュ]×吉崎元章[札幌文化芸術交流センター SCARTS プログラムディレクター]

1

人と情報が集まった時、何が生まれるか。
機能としての「SCARTS」

吉崎
オープン前でしたが、札幌文化芸術交流センターSCARTSを実際にご覧になって、印象深かったことはありますか?
福津
まず美術、音楽、演劇、いろいろなフライヤーを置かれた場所が目に飛び込んできて、ここに来たら情報がなんでも手に入ることが一目でわかる点がすばらしいと思いました。
吉崎
2階のインフォメーションコーナーですね。あそこには、札幌を中心とした文化芸術関係のチラシなどを札幌で一番多く揃えたいと思っているんです。
福津
札幌で暮らす人はもちろん、観光客の方にも「空いた時間に何か見たい」という方がいたら、「SCARTSに行くといいよ」って教えてあげられます。
吉崎
目指しているのは、まさしくそれ!情報が集まれば、人が集まる。情報と人、そして人と人が出会うことによって、新しいものが生まれる。ここは、そんなハブ機能をもった場所にしていきたいと考えています。SCARTSは札幌市民交流プラザ1、2階のスペースの名前であると共に、札幌の文化芸術に働きかける“機能”と捉えてもらったらわかりやすいかもしれません。
福津
ハブ機能ですか。
吉崎
つまり札幌の「ひと・もの・こと」が有機的につながっていくお手伝いをしていこうということです。そこで今回、「札幌人図鑑」を通して、札幌で活躍する人々と一番会って話をしてきた福津さんとSCARTSでできることについてお話をしたくて、来ていただいたわけなんです。札幌の人材の豊かさ、そしてそれぞれの活動をどう結びつけていけば、面白いことができるのか、トークの中から見つけていけたらと考えました。
福津
札幌には、面白い人たちが本当にたくさんいますよ!最近の傾向としては、音楽、アート、空間デザイン、教育、福祉、さまざまなジャンルで活躍する人たちが、自分のジャンルに+αして、他のジャンルを取り入れることを楽しんでいます。意外な組み合わせをすることで、普段交流のなかった人たちと出会うことができる。そういう工夫を好む人たちが増えているんです。若い人たちほど、そんな発想の仕方に「慣れて」いるように見えますね。
吉崎
そうなんですね。
福津
自分の活動にどういう人を絡めたらより魅力的になるか。新たな人と絡むことで今までなかったアイデアをもらい、今度はこういうこともできるのではという発想を得る。そんなプロセスを楽しむアーティストが増えています。「札幌人図鑑」は、自分の日常ではあまり接点のない人の生き方、働き方、想いと出会える場所です。SCARTSでも、さまざまな人を紹介することで、「この人と会ってみたい」という気持ちを導くことができたら面白いんじゃないですか。
吉崎
そうですね。いろいろなマッチングをするような事業展開もしていきたいですね。個人、企業、関係なく、アートのもつ創造性、発想力を取り入れて何かしようとしている人たちをうまく結びつければ、今まで考えられなかったことができたり、今までの活動をより面白くできたりするんじゃないかと思います。
福津
場所としてのハブ機能やコンシェルジュ的な人の存在は大事ですね。私自身、この場所を一目見ただけでワクワクしました。「札幌人図鑑」としても、ここに来たらお呼びしたいゲストと出会えそう、公開収録なんかしたら、これまで叶わなかった演出もできそう、と今も話しながらワクワクしています。

吉崎
私たちにとっても、この場所のもつ可能性は未知数。オープンしたら、想像をこえるアイデアが生まれてくるかもしれない。そう思ったきっかけが、公募企画事業です。舞台芸術、音楽、美術などジャンルに関係なく、SCARTSを使ったアイデアを広く募集しました。思った以上の応募の数の多さに、皆さんの「何かやりたい」という気持ちが大きいことを改めて知りました。その内容にも、札幌の潜在能力の高さを感じました。さまざまなジャンルの11の企画が選ばれ、2018年12月から順次展開します。それらを実際に見た方からも、さらに素敵なアイデアが生まれる気がします。
福津
札幌のまちの中心部に、みんなが交流できる場所ができる。本当に素晴らしいですよね。ここができることによって、また人の流れも変わるのではないでしょうか。
吉崎
にぎわいのある場になるとうれしいですね、いろいろな事業も行っていきますが、「つながり」という点では、札幌文化芸術劇場 hitaruはもちろん、市内のさまざまな施設や団体、さらには既存のアートイベントなどと連携した事業展開も計画しています。
福津
すごく楽しみですね。
吉崎
さらに、何かを表現したい人たちをサポートしていくこともSCARTSの重要な機能なんです。ここのスペースをただ貸し出すだけではなく、利用者に対して技術的、学芸的なアドバイスや、展示の見せ方、演出のサポートもしていきたい。幸い、SCARTSのある市民交流プラザ内には劇場もあります。照明や音響のプロもすぐ近くにいますし、うちのスタッフにも国内外でメディアアートを中心に展示活動にテクニカルの面から携わってきた者もいる、私のような美術館の学芸員経験者もいる。スタッフのポテンシャルも生かしていきたいです。
福津
アーティストだけじゃなく、照明や音響などを勉強したい人たちにとっても、学ぶところが多いのではないでしょうか。
吉崎
そうですね。サポートとしては他にも、発表場所や助成金をはじめとしたさまざまな相談に応じたり、作家活動をするうえや文化施設のスタッフとして役に立つ情報や技術についての講座を開いていく予定です。

2

思いをつなぎ、叶えるために。
SCARTSと札幌の可能性。

福津
これは私の仕事に関する期待ですが…。「札幌人図鑑」は小学生からご年配の方まで年代も幅広く、さまざまなジャンルの方が出演されています。正直、こういう仕事をしていないと接点を持てないような方にも数多く出会ってきたわけですが、そういう時ほど元気や勇気をもらえるお話はもちろん、仕事や暮らしのヒントももらえる。ならばそれらをアーカイブして、Webやメールで手軽にシェアできるメディアをつくりたい。それが札幌人図鑑の始まりなんです。今までは私というフィルターを通して、バーチャルでいろんな人と出会う場を作ってきましたが、今後はリアルでも出会える場所をつくっていきたいと考えています。「あの人に会ってこの話を聞きたい」というリクエストがあれば、実際に会える場所をつくりたい。バーチャルでも、リアルでも。そんな夢を叶える新しい場づくりをしたいと考えています。
吉崎
「札幌人図鑑」はまもなく1500回!ここまで続けてこられたこと自体が、本当にすごいと思います。さまざまなジャンルのゲストが語る過去・現在・未来…。時がさらにたてば、収録された話にまた違う価値も出てきそうですね。そして、次の展開として「リアルの場」でのつながりをつくっていこうというのは、とても興味深いです。SCARTSにおいても主体的にそれに近いことをできればと考えていますが、どうしたらいいと思いますか。
福津
札幌の人って、新しいことを抵抗なく取り入れられる人が多い気がします。やったことのないことにもトライして、それをまわりに見せ、柔軟に意見を取り入れられる人が多い。だから展示に力を入れてはどうでしょう。新しいこと、ここだからできること、ここじゃなきゃできないことっていうのを目の当たりにすることで、それが刺激になって、今までなかったジャンルのアーティストが育ってほしい。
吉崎
なるほど。札幌って、素晴らしいトライをしている人がたくさんいますよね。
福津
世界的に活躍されている人もいますしね。
吉崎
196万人の都市ともなると、本当にさまざまな分野で、しっかりとした活動をしている才能あふれる人が多くいますね。でも、少しアンテナを張ると大体そうした人たちの存在を、ちゃんと知ることができる。それが札幌の適度なサイズ感というか、魅力だと思うんです。
福津
私ね、そういう人って評判を聞いたあとに必ず会えるんです。この人と会いたいと思ったら、だいたい知り合いの知り合い程度のワンクッションで、多くの人を介さないで会える。大きすぎず小さすぎず。この街のサイズ感も大きな魅力のひとつ。とても安心感がありますよね。
吉崎
札幌はさまざまな人、さまざまなジャンルが信頼感をもってつながり、新しいことを生みだす可能性をもっているということですね。
福津
このサイズ感だから「札幌人図鑑」もできたと思うんです。動いた人は必ず何かに出会える。
吉崎
もう一つ、SCARTSでは創作する人をいろいろな面から応援する人を札幌に増やすことも手がけていきたい。アーティスト…表現者というのは、その人だけでは十分な活動ができません。しっかりと評価して、企画を考えたり、表現の場を提供してあげたり、いろいろな調整をする人の存在も大切。そういう人たちがいて、初めて文化全体が活性化する。札幌もそうなっていくといいと思いませんか。
福津
確かに。そういう人材はまだ少ないですね。


吉崎
あと札幌には、正直言って、文化的にまだ未成熟なところが多くあると思います。だからこそ、大きな伸びしろがあるとも言えます。先に出ましたが、歴史をふり返ってみても、札幌の人たちは外部からの新しいものを寛容に受け入れて、それを発展させてきました。まち自体が、そうした力を持っている。それも札幌の特徴の一つかと。
福津
まちも人も、新しいものは基本ウエルカムですよね。
吉崎
アーティストは、世の中に新しい視点を与えてくれる存在だと思っています。そういう意味では、札幌はアーティストの活動の場となりやすい土壌があるのかも。
福津
取材した中で、道内のアーティストとは海外で会うことが多いと話すアーティストさんがいて。その方にお聞きしたのですが、海外の大きなアート展で道内出身者が集まると必ず「いつかは札幌に拠点を持ちたい」という話になるそうで。日本ではなく海外でばかり評価されるのは残念だと思う一方、海外で力をつけて「いつか札幌で」と思ってくれるのはすごくうれしいですよね。そういう若いアーティストを受け入れる場所もつくってあげたい。
吉崎
発信の場がWEBだったりアートフェアだったりと、昔と比べてアートシーンの状況は変化してきています。でも札幌に優れたアーティストが定着するためには、それを評価し、楽しむ人がたくさんいなくてはならない。アートって特別なものではなく、日常を心豊かにしてくれるもの。札幌の人はそれを受け入れる潜在的な力があると思うんです。
福津
ここがオープンしたら、ここから生まれ育っていく人を応援したいですね。ここで発表したアーティストの作品を広めるお手伝いも楽しいと思う。
吉崎
あとになって、SCARTSの存在が、自分の活動のなかで大きな刺激になったと言ってもらえるようになったらうれしいですよね。最後になりますが、SCARTSに期待することを聞かせてもらえますか。
福津
たくさんの人と出会える場づくり、とおっしゃっていたので、仕掛けをたくさんつくって、毎日でも来たくなるような場所にしてほしいですね。アーティストさんを始め色々な人に出会いたい。若い人たちが音響や照明など技術的なことを学べる場にもなってほしい。アートに直接関わる人じゃなくても、こういう居心地の良い場所で余暇の時間を見直して、新しい自分に出会える場所になってほしいです。
吉崎
そうですね。「文化・芸術活動を支え育む拠点」となるためには、情報と人がたくさん集まる場でなければなりません。多くの人が「行ってみたい」「つい足が向いてしまう」と思う、そんな場所を目指したいと思います。楽しみを見つけたくなったらSCARTS、困ったらSCARTS。気軽に来てもらえるところにしたいです。
福津
まちの真ん中にそういう場所ができると思うと、今から楽しみです。期待しています。