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優れた音楽ホールと劇場を備え、世界に名だたるオーケストラを有することが、市民みんなの誇り。それが都市の“文化度”の高さにつながります。クラシックコンサートのための Kitara があって、バレエやミュージカルなど幅広いジャンルの公演が可能な札幌文化芸術劇場 hitaru が新しくできる。生の芸術に触れられる機会が格段に増えることで、札幌の街も人々も大きく変わっていくと思っています。私が若い頃に留学していたウィーンでは、年間300本もの公演が行われていて、劇場に出かけることは日常の一部でした。ソリストの歌唱に合わせた即興性が求められるオペラ公演が増えることで、地元オーケストラの演奏にも今後さらに磨きがかかるはず。劇場とオケが互いに育ちあい、札幌文化芸術劇場 hitaru に足を運ぶことが札幌市民の習慣になるように、根付いていってほしいと思います。
この劇場と、そして劇場のある札幌の街の文化芸術がますます成熟していくことを願っています。
2018年8月
札幌文化芸術劇場 hitaru 芸術アドバイザー
尾高 忠明
©Martin Richardson