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お知らせ

2018年6月14日(木)

札幌文化芸術劇場 hitaru

【公募企画事業取材レポート】日本バレエ協会「ドン・キホーテ」①

 札幌文化芸術劇場 hitaruでは、札幌市内で継続的に活動している文化芸術団体とともに「公募企画事業」を主催公演として展開、開館から1年間のオープニングシリーズを盛り上げます。この公演に向けた各団体の様子を、定期的に紹介して参ります。
 第1回は、10月14日(日)上演、日本バレエ協会主催「第39回 全道バレエフェスティバル・イン・サッポロ『ドン・キホーテ』」です。

 この公演は、オーディションで選ばれた、札幌や道内のダンサー約130名が出演します。5月下旬、リハーサル会場を訪問。この日は第1幕と第2幕のリハーサル中。まだ振付の確認という段階でしたが、ダンサー同士で試行錯誤する姿が見られました。普段それぞれのスタジオで稽古を積むメンバーが一緒に踊ることは容易ではないですが、身体がコミュニケーションツールになり、さまざまな年齢のメンバーもすぐに打ち解け合えるところが「踊り」の魅力でもあるようです。

 第1幕は、スペインにある小さな町のにぎやかな広場。ダンサーの動きや仕草まで、一人ひとりに細かく指示していたのが、本作の演出・振付家である篠原聖一さん。物語を説明しながら、登場人物のパートを全て踊って見せる篠原さんを、ダンサーは食い入るように見つめ、大きくうなずいていました。
「登場人物それぞれの気持ちを把握すること。周りにいるみんながそれを理解し、動くことで、ようやくお客様に伝わる。登場人物だけの演技では、何も伝わらない」という篠原さんのアドバイスに、ダンサーの表情は生き生きと変化。「さまざな映像を見るなど研究して、毎回違う演技をしてみよう」と、舞台上での「生きる術」を伝えているようでした。

イメージ左:篠原 聖一さん
※左:篠原聖一さん

イメージ左:篠原 聖一さん
※左:篠原聖一さん

 そんな篠原さんの指導に、「リハーサルがとにかく楽しい!」と皆、口をそろえて言います。

「聖一先生のリハーサルは、とにかく明るい雰囲気にしかならないんですよね。著名な振付家なのに、いい意味で親近感が沸くというか…聖一作品の舞台には必ず出演したい!という感じなんです」そう話してくれたのは、街の踊り子役の根本奈々さん。幼少期から全道バレエフェスティバルに出演している根本さんは、「私もコール・ド・バレエ(群舞)から始まり、こうしてソリスト役をもらうようになって。そういう段階を経たからこその思いもあるんですよね」と近くに座っている子どもたちを見つめながら、微笑んでいました。

イメージ中央:根本奈々さん
※中央:根本奈々さん

イメージ中央:根本奈々さん
※中央:根本奈々さん

「聖一先生のリハーサルは、楽しい!明るい!!おやじギャグ満載!!!(笑)」と笑いながら話してくれたのは、本作のヒロインであるキトリの友人を演じる、ビッキリア役・阿部衣梨子さんとジャネッタ役・太田麻美さん。この日も、時事ネタと北海道弁を交えた指導が度々…私たちも笑わずにはいられなかったほど。配役を告げられたとき、「飛び上がるほど嬉しかった、聖一先生に『ありがとう』と伝えたい」と口をそろえていう2人は、すでにこの役に愛情を持ち、熱が入っているようでした。

イメージ左から:太田麻美さん、阿部衣梨子さん
※左から:太田麻美さん、阿部衣梨子さん

イメージ左から:太田麻美さん、阿部衣梨子さん
※左から:太田麻美さん、阿部衣梨子さん

 ドン・キホーテが見た美しい夢の世界である第2幕では、愛らしいキューピットたちが沢山登場し、思わず微笑んでしまうかわいらしさ。コール・ド・バレエの要である「並ぶ」「そろえる」に苦戦していましたが、バレエの基本が学べる貴重な機会となっているようでした。数年後に、この中からソリスト役を踊るダンサーが生まれると思うと、彼女たちの成長も注目です。

ドン・キホーテ イメージ4枚目

ドン・キホーテ イメージ4枚目

篠原さんと北海道のダンサーとの間に生まれる「信頼感」と作品を心から「楽しみ」「愛する」雰囲気に、hitaruで「ドン・キホーテ」の世界を味わえるのが、今から待ち遠しくなりました。

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