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2021年8月27日(金)~9月5日(日)の会期で予定しておりました高嶺格「歓迎されざる者~北海道バージョン」は、緊急事態宣言の発令を受け、誠に残念ながら会期を短縮することとなりました。ご来場を予定されていた皆様には大変申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
会場では、新型コロナウイルス感染予防・拡散防止対策の徹底を行っております。
ご来場の際にはご理解とご協力をお願い申し上げます。
会期短縮に伴い、記録映像を2021年11月26日(金)から2022年1月31日(月)まで公開します。詳細はこちらをご覧ください。
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造形美術、映像、パフォーマンス、そして舞台演出まで、多彩な表現形態による作品を発表している高嶺格。その作品は常に、社会の中で見えなくなっているさまざまな問題を、自身の個人的な体験や身体的感覚にひきつけ、向き合って考えることで生み出されてきました。
支配的な社会のシステムに対して、個人として立ちつづけること。それが高嶺の作品制作の原点だといえます。
本作は、2018年に発表された「歓迎されざる者」を大幅にアップデートした作品です。制作当時、秋田県に住んでいた高嶺は、近くの海岸に木造船が漂着し、中から4体の白骨化した死体が見つかったことを耳にします。「脅威」として語られ世間を騒がせていたこの船は、しかし実際に見てみると実に粗末で、拍子抜けしてしまうようなものだったといいます。この船に「花を手向けに行く」という妻の言葉を聞いたとき、高嶺は、「メディアによって掻き立てられ、いつのまにか社会に根を下ろしてしまった敵意」に疑問を抱き、この作品を制作しました。
今回、作品を再構築するにあたり、高嶺は、札幌でのリサーチやさまざまな人との対話の中で、改めてこの作品のテーマに向き合いました。「歓迎されざる者」とは何なのか。それは作品を見た観客の一人ひとりに、問いかけられることになります。