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※開催延期のお知らせ
「三原順の世界展」は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、開催を延期することといたしました。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。延期後の会期につきましては、決まり次第ホームページ等でお知らせいたします。
札幌で生まれ育ち、描き続けたマンガ家・三原順の没後25年に合わせて、北海道初となる原画展を開催します。
三原順が約40年前に描いた「はみだしっ子」シリーズは、実の親に暴行、放置、監禁、殺されかけて家を捨てた4人の少年が、鋭いまなざしを社会や自分自身にも向けながら、時に楽しく時に泣きながら旅を続ける物語です。独特の魅力に満ちた本作は、他にかけがえのない物語として読者の心をつかみ、熱狂的な支持を得ました。彼女の作品は、自分を徹底的に否定されて育った子どもたちに、自分を取り戻す力を与えてくれていたのです。三原順没後、絶版作品の復活を望む運動が広がります。彼女の作品に助けられた、恩を返したい、何かできることはないか。やがて、三原順の作品はすべて復刊され、幻の作品の出版、特集本や画集まで実現しました。2015年に東京で開催された「~没後20年展~三原順 復活祭」では、日本全国のみならず、海外からもファンがつめかけ、異例の会期延長となりました。そして没後25年、三原作品が札幌に里帰りします。
本展では、三原順の幼少期から未完の遺作までの主な作品、没後の軌跡を年代に沿って紹介し、最後にいくつかの視点で作品を振り返ります。約100点の展示作品のうち、子供の頃の絵や作文はすべて、本展で初展示です。それらは、三原順のマンガ家としての萌芽と、一人の子どもの眼に映った、かつての札幌の風景を伝えてくれています。三原順の作品には、カラー原画、高校時代の小説、投稿作品など、いくつか所在不明のものがあります。札幌の地で開催する本展では、それらの発見や証言を得られる効果を期待しています。また、多くのマンガ家を輩出している北海道に、マンガ美術館があるべきでは? という展示も行います。会場では、「三原順の世界展」オリジナルの図録・グッズや、画集『三原順 All Color Works』(2020年、白泉社)などを販売します。