500年後の地球で暮らす双子の姉弟シロとメロの物語は、画家のあけたらしろめ氏が2012年から描き続けているSF絵画シリーズです。今回の展覧会では、シロとメロの世界が実物大になって、SCARTSに登場します。

「未来の地球にはどんな光景が広がり、どんな音が聞こえているんだろう。そこに暮らす人はどんな姿なんだろう。そんな妄想を楽しく膨らませながら『未来の田舎暮らし』を表現していきます。皆さんも一緒にこの世界に分け入って、イメージを広げてもらえれば」と、しろめ氏。親しみやすいタッチと愛くるしいキャラクターが特徴的ですが、背景にはしろめ氏が日々の暮らしを通して捉えた環境問題へのアンチテーゼ、さらには生きるチカラや喜びの再発見といったテーマが込められています。

メインとなる展示は「シロとメロの家」。彼らの生活空間をリアルなサイズ感で半立体化するのは、こうした展示物や舞台美術を数多く手掛けてきた造型のスペシャリストである、こんのあきひと氏です。
「僕はどちらかというと職人タイプ。しろめさんが生み出した作品世界を、どうすれば魅力的に展示できるか、その方法を常に考えています。テクニカルスタッフが常駐しているSCARTSは、手厚いサポートが受けられるので、アーティストにとっては最高の環境。アイデアを具体化する技術や機材も豊富なので、いろいろ相談しながら下見やテストを繰り返しているところです」

会場ではほかにも、体験型のサウンドインスタレーションやワークショップを開催予定。「札幌での大規模な展覧会は初めてなので、いろんな方々にシロとメロと出会ってもらえればと思っています」(しろめ)
なお、しろめ氏のInstagramやYouTubeでは、創作の舞台裏がのぞける動画を配信中。ホンワカした雰囲気の二人のかけあいを楽しみながら、7月の展覧会に向けて並走してみませんか。

ランドリーズ
あけたらしろめとこんのあきひとが2022年に結成した創作ユニット。しろめが描き出す「シロとメロ」の世界を、工作の専門家であるこんのがスケールを増幅して提示する。今回の企画公募がユニットとしては初の展示となる。
あけたらしろめ〈 写真:左 〉モノクロ画家
1988年生まれ。シロとメロという双子のキャラクターをモチーフにした作品で、2013年から作家活動を開始。2020年より札幌に拠点を移し、広告ビジュアルやMV、漫画などの受注制作、ドローイングやシルクスクリーンでの作品制作を行う。
こんのあきひと〈 写真:右 〉こんの工作所 所長
1983年生まれ。札幌出身。木や紙などを材料に、大きなものから小さなものまで、工夫を凝らしたものづくりに取り組む。イベントや展覧会の会場装飾、舞台やCMの美術のほか、顔出し看板や店舗什器、雑貨まで、幅広い守備範囲が持ち味。

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