SCARTS主催で開催される展覧会や舞台公演、
各種催事の会場設営を担っているのが、テクニカルスタッフ。
作品の展示や機材の運用に精通した、
アートの現場を支えるプロフェッショナルです。
その業務内容は、会場のレイアウトの作成や造作物の発注から、
映像・照明・音響・配信のオペレーション、
各部門との調整やスケジュール管理まで多岐にわたります。
今回はそんなテクニカルスタッフの業務について紹介します。

アイデアをカタチにする技術

SCARTSでは札幌市民交流プラザの1、2階にあるSCARTSコートとSCARTSモール、SCARTSスタジオの管理を担当しています。作品の発表や交流の場としてはもちろん、参加型のワークショップや講座、各種プロモーション、物品販売など、多目的に利用できるのが施設としての特徴ですが、テクニカルスタッフはさまざまな展示やイベントの会場設営全般を担います。 実際の業務は会場設営だけでなく、それまでの事前準備にも多くの時間をかけて対応。メディアアートや現代アートの展覧会が開かれることも多いSCARTSの主催事業では、初期段階の打ち合わせからプロジェクトチームに参加し、会場や機材の特性を知り尽くしている立場から、アーティストが求める表現やアイデアを具現化するための提案も行います。 また、さまざまな課題に対応するために、保有する3Dプリンターやレーザーカッター、ボール盤などを使って専用の道具やアタッチメントを作成したり、センサーに反応して音や映像を出力するセンシングのプログラムを組んだりと、あらゆる手法を駆使しながらアーティストの要望に応えます。

 

そして迎える設営当日。複数の外部スタッフが現場に入ることも多いため、施工のスケジュール管理も大切な業務になります。もちろん会場や作品のセッティングにはスタッフ総出で対応。さらには開催中の映像や照明、音響といった演出のオペレーションに加え、最近では映像配信を受け持つケースも増えています。そして終了後は撤収だけでなく、記録音声や映像の整理なども担当します。 テクニカルスタッフはそれぞれの展示に合った会場設営のプロフェッショナルであり、アーティストと一緒に作品や空間をつくり上げていく心強いパートナーとも言えるでしょう。

貸館利用者もサポート

一方で貸館の利用者に対しては、要望を聞き取る打ち合わせから始まり、設備や機材の使用方法のレクチャー、レイアウトや展示方法のアドバイスまで、幅広くサポートにあたります。 ひと口に展覧会と言っても、絵画や版画、彫刻、映像、メディアアートと、そのジャンルは幅広く、また作品ごとにサイズや仕様も異なります。SCARTSではコンサートやライブ、演劇やパフォーマンスといった実演芸術も開催されるため、その見せ方は実に多種多様。さまざまな形式のイベントに対応できるテクニカルスタッフが常駐していることも、SCARTSの強みの一つです。 文化芸術活動に関する相談を受け付けるSCARTSの「相談サービス」では、テクニカルスタッフによる技術的なアドバイスやサポートも実施中。ぜひお気軽にご相談ください。