多彩なジャンルのアートを支援

―札幌市内で文化芸術活動を行う個人や団体を対象に、活動費用の一部を支援するSCARTSの助成金交付事業。まずはこの制度の目的と概要を教えてください。
札幌市における文化芸術の振興と、さらなる発展につなげていくことが目的です。令和4年度、令和5年度に続いて、令和6年度の募集が12月上旬からスタートします。助成には、申請上限額が200万円の「特別助成事業」と、上限額25万円の「一般助成事業」の2種類があり、それぞれ1~2件、8~12件の採択を予定しています。
―対象ジャンルは?
演奏会や音楽祭、オペラ、バレエ、ダンス、舞踊、演劇、パフォーマンスといった実演芸術系から、展覧会やアートフェスなどの展示系まで、対象となる活動は多岐にわたります。
―「特別助成」と「一般助成」の違いは?
規模感と選考基準が異なります。「特別助成」は地域の特色を生かし、札幌の文化芸術水準のさらなる向上につながるようなプロジェクト規模の活動が対象です。例えば、分野を横断する先進的かつ独創的な取り組みなどを支援できればと考えています。一方の「一般助成」は、より多くの市民の皆さんが文化芸術に触れる機会をつくり出すきっかけづくりや、さらにステップアップするための後押しをするというイメージです。多くの人に開かれていて、持続発展性が見込める実演芸術公演や展覧会などが対象で、支援を通じて活動の裾野が広がればと思っています。

札幌の人や街への還元も

―申し込みから選考までの流れは?
交付申請書に必要事項を記入し、受付期間中に提出していただくことがスタートラインになります。その後、審査委員による審査を経て、採択する活動が決定します。
―申請のポイントを教えてください。
実際に申請書を書き始める前に、まずは募集要項に掲載されている審査基準をじっくりと読み込んでいただくことをおすすめしています。また、あくまで公益事業ですので、札幌の人や街にとって、どういう影響を及ぼし、その活動によって市民や街がどのように変化していくのかなど、社会に対する還元の部分まで熟考し、企画内容に落とし込んでいただけると良いと思います。反面、とてもいい企画で熱意が伝わる申請書であったとしても、実現可能かどうかがわからなかったり、活動の意義が論理的に説明されていないと判断が難しいという側面も。できるだけ具体的な計画や規模感、かつ広く市民に開かれた活動であり、新たな価値を社会に創出するような取り組みであることを明確に記していただくことで、前向きなアピールにつながると思います。
―いろんなジャンルのアーティストに活用してほしいですね。
先進的な企画にも門戸を開いていますので、可能性を限定せずに応募していただければ。その際、申請者の活動実績をできるだけ詳しく記載してもらえると参考になります。皆さんの周りのアーティストの方々にも「こんな制度があるみたいだよ」と口コミで広めてもらえるとうれしいですね。

交付までのスケジュール

募集説明会 
 令和5年11月11日[土]・12日[日]〈終了〉
申請書の受付期間 
 令和5年12月1日~令和6年1月10日
審査・決定 
 令和6年1月中旬~2月末
交付決定通知 
 令和6年3月末